Episode.1 「こだわりのコンパクトハウス」 I様邸
こだわりを持つということは手間暇とお金のかかることではあります。しかしながらどんな人でも予算の上限はあります。I様の住まいはこだわりとコストを徹底して考え抜いたものになりました。
家づくりの計画を始めてからI様ご夫婦で色々な住宅メーカーへ相談に行かれたようです。しかし、こだわりのポイントなどを話すとできないと言われたり、予算が合わなかったりと思うように家づくりを進めることができませんでした。
そんな中、当社はご縁をいただいたのですが、最初に予算をお伺いした際、私たちも正直なところ、難しい家づくりになると感じました。ですが、I様ご夫婦と一緒にアイデアを出し合い無駄を省く引き算の発想により、コスト調整をしながらも、デザイン性の強いこだわりの家づくりを進めていきました。

1階の一部を店舗のスペースとして確保したため、1階にはダイニングキッチンと浴室のみ、2階部分はリビングスペースや寝室・洗面所・クローゼットなどを一つのスペースに配置。ダイニングキッチンの上を吹き抜け空間として2階とのつながりを残してワンルーム的な住まいに仕上げました。お子さんの成長により部屋が必要になった時のためにダイニングキッチン上の吹き抜けには床を張れるように梁が入っています。家族の成長に合わせて住まいも成長するつくりとなっています。

内部の仕上はI様ご夫婦のこだわりが満載。キッチンは飲食店のようにしたい!とのご希望で、業務用の厨房機器をセパレート式に配置、キッチンの向かい側にはコンクリート製のカウンターを設け、ダイニング部分は土間仕上げになっています。。キッチン背面のタイルはあえてレトロな10センチ角のタイル。床材はオークの無垢材を採用しましたがパーケットフロアで個性的な印象を与えます。コンセント・スイッチ類はアメリカンスイッチやトグルスイッチとして1個1個にこだわりました。壁や天井もあえて合板仕上になっています。コストの調整は難航しましたが、素材の決定時にはサンプルを取り寄せ価格を含めて、細部まで検討・確認していただくことで、唯一無二の住まいとなりました。
また、コストやデザインだけでなく、「家の性能」にもこだわりました。寒暖差が激しいこの地域の住宅において、優れた断熱性能は不可欠です。吹き抜けにより開放的な空間があるにも関わらず、現在、エアコン1台で快適に過ごせる設計になっています。

一般的な住宅の概念を180度ひっくり返したような住まい。こだわりぬいたI様の「住み家」は、そんな逆転の発想から生まれたもの。フルオーダーだからこそできるこだわりの住まい。形となるまでお時間はいただきましたが、オンリーワンの「住み家」になったかと思います。